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トンビが人を襲う

5/15夕方の報道番組の特集で「京都賀茂川・トンビが人を襲う」と題した取材報道がなされていた。
この時期、京都賀茂川の河川敷では陽気に誘われノンビリと散歩をしたり、昼食を摂ったりする方達が増える。そこにトンビが、上空から食べ物を狙い人の手から食べ物をかっさらっていくという報道内容だった。この取材報道を観て内容を分類して観た。
1,10年前からトンビが人を襲うという事があり、10年前に取材した同じ記者が10年後の今を取材。10年前のVTRを見せてトンビが食べ物をかっさらう模様を放映。

2,如何にトンビが、人の手から食べ物をかっさらう手口の巧妙さをVTRにて紹介。

3,野鳥の会研究員を取材し「トンビが人を襲う」という訳ではなく、トンビが生存している場所にトンビのエサが減少し、容易にエサを手にする事が出来る方法として人の食べ物をかっさらう事になった。これは動物全てに言える事であり、出来る限り容易にエサを調達したいという本能の現れと説明された。(山から降りてきたシカが賀茂川にいる様子をVTRで放映)

4,10年前のトンビが人から食べ物をかっさらう方法は単独行動であったが、現在は集団化し集団の中で役割分担があり、効率良く人から食べ物を奪い、食べ物を集団で分け合う行動に変化している。

5,トンビは、食べ物を持った人全てから食べ物を奪い取る訳ではなく、条件に合致した人の食べ物を狙う。実験VTR放映。実験内容は、身長180cm男性に食べ物を持たせ待機させるが、トンビは彼から食べ物を奪う事がなかった。次の実験は3人グループ(男2女1)で昼食を摂らせる。そこにトンビが女性の食べ物を狙いかっさらっていった。実験結果から、トンビは大柄な男性は狙わず、女性、子供、大柄では無い男性をターゲットにするという結果が出たいう事。

6,賀茂川河川敷で、数年間に渡りハトの餌付けをしている女性を取材。女性はハトのみにエサを与えるが他の鳥にはエサを与えず、その証としてカラスやトンビよけの木の棒を持っている。餌付けの動機を聴いていたがあまりハッキリとはしていなかった。

7,最後に行政に取材していたが、行政側から明確な答えはなかった。

という内容だったと記憶している。

この取材報道を観ての感想は、人間は自らにとって都合の良いものはどこまでも欲しがり、自らにとって都合の悪いものは排除したがることの現れを感じました。なぜなら、自らにとって都合の良いものは、気候の良い時期賀茂川べりで食事をしたい。食事をする事で気分がリフレッシュされ生きる力が湧いてくる。これをずっと続けて行きたい。自らにとって都合の悪い事は、そんな気分で気持ち良く食事をしているところを邪魔されるだけならともかく、食べているモノをかっさらっていくトンビは許せない。というふうに考えられますね。そもそも何故そうなったのか? 野鳥の会研究員さんが、おっしゃっていた人の手によって生態系が崩された事に問題がある。という事ですね。生態系を崩す理由は何なのか? 国土が狭い日本は、人口増加に伴い山を削り海を埋め立て人が住まう場所を拡大していった。それに伴い道路が建設され、人口が増加すると更に便利性を追い求め商業施設等が建設され街化されていく。その結果、本来生息していた動物、植物等生き物全てに影響を及ぼす。人は自らの手であらゆる事を可能に出来る。しかし、人以外の生き物はどうだろうと考えた時、人のような行いは出来ない。生き物は生きる為だけにエサを口にする。彼らのエサが減少し無くなっていく事で、彼らは生きる為にエサを探し求める事になる。その結果が人から食べ物を奪いとったり、人が作った農作物を食べてしまったりという行為に繋がっているように思います。ですが、取材報道を観た皆さんはどのように感じられたのでしょう。トンビが人の食べ物をかっさらい、その巧妙さを紹介し、かといって、トンビ側の都合も入れ中和させ、現在のトンビの食べ物を奪う方法の進化を紹介し、ハトの餌付けを紹介する事でトンビとの関連性があるように思わせたり、行政も動く事が出来ないという結果を紹介して終わった。この報道は、真実という光明に目を瞑らせる身勝手さ(人が生態系を崩している)・無知(人が生態系を崩したが故のトンビの行動だと理解しない)を物語っているように思えました。